
先生、ギックリ腰になってしまいました。
早く治すためには、お風呂で温めたほうがいいですか?

いえいえ、ギックリ腰になったら温めるのは絶対にNGです!
すぐに氷で冷やしてください!
ギックリ腰、なぜ温めてはダメなの?
ギックリ腰になると腰の中が炎症を起こしています。
つまり腰の中が燃えている様な状態です。
そんな腰の中が燃えている炎症の時に温めると、よけいに燃えて炎症が強くなり、結果、痛みが悪化します!
よって「お風呂で温める」「ホッカイロ」等で温める事は絶対に行わない様にして下さいね。
当院に来院されるギックリ腰患者さんも、お風呂で湯船に浸かり腰を温めた後に、症状が一気に悪化してしまった方はとても多いです・・・
お風呂はシャワーにしておきましょう。
また「半身浴なら大丈夫ですか?」と質問される患者さんも多いのですが、人間のカラダは血流で隅々まで巡っています。つまり下半身だけ温まったつもりでも、結果的には全身が温まってしまいます。ですので半身浴も行わないようにしましょう。
ギックリ腰「氷水で冷やすIcing方法」
ギックリ腰を早く治すためには「腰を氷水で冷やして炎症を抑える」事が大切です。
冷やし方は、氷のうやアイスノンを痛い場所に当てて冷やして下さい。
一回の時間は「15〜 20分」程。
一番のお勧めは「ジップロックに氷水を入れて冷やす」方法です。
まずはジップロックに氷と少し水を入れて下さい。
(水は本当にわずかで大丈夫です)
その氷水が入ったジップロックを、痛みのある個所に直接当てて下さい。
(氷水にすると腰の曲面に対して隙間なく当たる為、冷やす効果も高いです)
氷水が入ったジップロックをタオル等は巻かずに皮膚に直接当てると強烈に冷たい為、最初の5分間は激痛になります。
が、あまりの冷たさに5分も経過すると皮膚の感覚が麻痺して、逆にそこからとても気持ち良くなります。
初めて氷水でIcingする方は最初の5分が我慢出来ずに、氷水のジップロックを付けたり外したりしますが、それを行うと延々と冷たさの痛みが続きます。
騙されたと思って最初の5分間、頑張って続けてみて下さい。
5分も経過した頃には、恐らく氷水による痛さが気持ち良さに変化していると思います。
目安は皮膚が真っ赤になり、触っても感覚が無くなるぐらいまでIcingを行います。
時々、気持ちが良いからといって1時間近く氷水でIcingしてしまう方がいるのですが、さすがにタオル等も巻かず、氷水で直に1時間もIcingを行うと凍傷になります。
よって、どれだけ気持ち良よくてもMax20分程で終える様にして下さい。
また2回目を行う際は、1時間の休憩を入れて頂けたら大丈夫です。
※
食品用の保冷材は冷たすぎる為、絶対に使用しないで下さい
※
皮膚が弱い方は、タオル等を巻いて行って下さい
※
もし凍傷になってしまった際は、それ以上のIcingは行わないようにしてください
それでもやり方がよく分からない方はお気軽にご連絡下さいね。
ギックリ腰は「いつまで」冷やす?
結論から言うと「4〜5日」ほどはIcingした方がいいと思います。
繰り返しになりますが、ギックリ腰になると腰の中が炎症を起こしています。
解剖学的には2〜3日は急性期と言われ、炎症がある状態です。
この炎症がある急性期に氷水でIcingで冷やすと、その後の回復が劇的に変わります。
よって最初の「2〜3日は腰をIcingで冷やしてください」と患者さんにお伝えしています。
しかし、これは腰の安静を保てていればの話・・・
普通はお仕事等があり、ベットの上で2〜3日も安静にしている事はなかなか難しい・・・
よって当院では「4〜5日ほどは氷水でIcingしてください」と伝えています。
またその間に油断して、腰をさらに痛めてしまう患者さんも多くいます。
そうなると結局は「痛みがまだ強いようでしたら、1週間程度はIcingしてください」とお伝えする事もあります。
そして入浴で腰を温めるタイミングは、炎症が収まった後になります。
Icingしても「気持ちよくない」という状態になったら、炎症はおよそ収まっているかと思います。
そこからは入浴に移行してください。
まとめ
・ギックリ腰は腰の中が炎症で燃えている為、絶対に温めない。
・炎症を抑える為に、ジップロックに氷水を入れてIcingする。
・氷でのIcing期間は4〜5日程度。